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日  時:2022年12月2日(金)  9:30 ~ 17:30
開催形式:ZOOMミーティング(ZOOMにアクセスするためのURLは参加申込すると配信されます)

* 一般講演は1件20分講演15分,質疑5分)です.

* 展示会社各位によるカタログ・材料・機器等のオンライン展示は10:00 ~ 16:30 となります.

* 接続トラブル等により,発表時間の変更や発表が中止となる場合があることをご了承下さい.

▍発表会場1:9:30 ~ 9:40 < 開会のあいさつ>    岡村 宏(制振工学研究会 会長,芝浦工大
▍発表会場1:9:40 ~ 11:20 制振・減衰 司会:加藤大輔(HOWA)
SDT22001中央加振法を用いた広い周波数範囲と大きな損失係数に対する複素弾性率の推定(ノイズ低減方法に関する討論)堀口隆三,小田義郎(花王),山口誉夫(群馬大)
梁試験片の貯蔵弾性率と損失係数の推定のために,中央加振法が用いられている.中央加振法では加振点速度と加振力の間の周波数応答関数(FRF) が用いられる.一方,我々は運動方程式の解析解と梁中の曲げ波に関する複素波数の関係式を用いて,FRF から広い周波数領域,大きな損失係数に対して粘弾性を推定する方法を開発した.この手法ではFRF 中のノイズが粘弾性の推定に影響を及ぼす.本発表ではノイズ除去の上の課題について討論したい.
SDT22002アクティブノイズコントロールによる鉄道騒音低減の方向性検討半坂征則(鉄道総合技術研究所)
この3 年間のCOVID-19 感染拡大の影響等を踏まえ,鉄道では運営基盤の維持に資するコスト削減の要求が一層高まっている.一方で鉄道では今後も騒音対策は必要であるが,将来的な抜本的なコスト低減を目指してアクティブノイズコントロール(ANC) による「防音壁のない鉄道」の構想も想定される.パッシブの限界を超えて鉄道騒音対策の構造変革の可能性を有するANC による鉄道騒音への方向性検討を行った.
SDT22003トライスペクトルとバイスペクトルを用いたガタを有する非線形振動系の解析松本宏行(ものつくり大),大石久己(工学院大)
ガタを有する非線形振動系において,高次スペクトルであるトライスペクトルとバイスペクトルを用いた解析について報告を行う.今回の報告では,対称および非対称特性を有するガタによる非線形振動系を対象としている.調和入力,不規則入力を受ける振動系について応答出力の2 次および3 次の高調波振動の把握を行った.そして,関係する物理パラメータの同定について考察し,本手法の有効性を示している.
SDT22004自動車用トランスミッションカバーの振動音響解析季承堯(帝京大院),黒沢良夫(帝京大),山下剛,尾崎哲也,中泉直之,藤田優希(パーカーコーポレーション),高橋学(パーカーアサヒ)
自動車のトランスミッションは,特有の騒音が発生するものがあり,防音材のカバーをつけて低減している.カバーはトランスミッション本体に固定されているが,振動伝達によりカバーの放射音も影響している可能性もある.本研究では,トランスミッションを想定した治具に簡易形状のカバーを取り付け,治具を加振した際の振動加速度や音圧レベルを計測した.また,FEM で治具やカバーをモデル化し,振動音響解析を行った結果を報告する.
SDT22005音響メタマテリアルにフェルトを積層した防音材の吸音遮音解析岩井大地(帝京大),黒沢良夫(帝京大),福井一貴,原山和也(寿屋フロンテ)
PP をハニカム構造に加工したものの上下にフィルムを貼り,膜振動による吸音効果を持つ音響メタマテリアルを作成した.さらにフィルム部分に小さな穴を開け,ヘルムホルツ共鳴による吸音効果を追加した.自動車トリムへの適用を考慮し,本構造にフェルトを積層したモデルを有限要素法を用いて吸音率・透過損失を計測・解析した結果を報告する.
▍発表会場2 : 9:40 ~ 11:20 音質・楽器 司会:小白井敏明(音響環境技術研究所)
SDT22006発表中止
 
SDT220073D プリンタによる表板作成とヴァイオリンの有限要素解析岡本朋也,黒沢良夫(帝京大)
3 D スキャナで取得したヴァイオリンの表板の形状データを用いて3D プリンタで表板を作成し,振動解析を行った.また,ヴァイオリンの振動音響解析を有限要素法で行うため,木材の材料データ(ヤング率,密度など)や,1 つ1 つのパーツの形状データの取得を行った.FE モデルの振動解析結果と実験モード解析結果との比較等を紹介する.
SDT22008車載スピーカーによる自動車車室空間の音響解析澁谷康平,黒沢良夫(帝京大)
自動車のスピーカーから出た音が壁や床やシート等の影響によりどのように変化するか解析するため,実験と車室内の簡易形状のFE モデルによる計算を行った.また,高周波域まで高速で計算を行うため,音線法を用いて計算した解析結果について報告する.
SDT22009シンギング・リンの振動音響解析 その6~シンギング・リンの振動・放射音への底面支持条件の影響~赤坂修一(東工大),北嶋佑(工学院大院),大石久己(工学院大),岡村宏(芝浦工大),和真音(Sion Inc.),神谷虎太郎(工学院大),黒沢良夫(帝京大),齋藤正毅(エムエスシー)
振動音響解析ワーキンググループでは,シンギング・リンの振動挙動,音響特性の解析を行っている.シンギング・リンは,長い周期のうなりを持つ伸びやかな音が長く響く特徴があり,楽器として,また振動・放射音を利用したセラピーの施術に用いられている.台に置く,手に持つなど使用目的により支持方法が異なるため,本研究では,底面の支持条件が振動・放射音へ及ぼす影響について検討した.
SDT22010シンギング・リンの振動音響解析 その7
~シンギング・リンの軸対称モデルの構築~
北嶋佑衣(工学院大院),神谷虎太郎(工学院大),赤坂修一(東工大),岡村宏(芝浦工大),和真音(Sion Inc.),黒沢良夫(帝京大),齋藤正毅(エムエスシー),大石久己(工学院大)
シンギング・リンは,豊富な倍音と長い周期のうなりを持つクリアな音質が長く響く特徴がある音響楽器である.うねりは軸対称性のズレによって発生することがわかっている.本研究はシンギング・リンの構造とうなりの関連性を工学的に明確にすることでシンギング・リンの特性把握を目指している.そこで,本報では個体差の影響の確認や,詳細な数値モデルを用いた厚みのばらつきによる対称性の検討を行ったので報告する
▍発表会場1 : 11:30 ~ 12:30 展示会社技術発表 司会:渡辺茂幸(東京都立産業技術研究センター)
T22-1コンパクトでタフなレコーダ CTRS-100シリーズ(株) 共和電業
T22-2高周波数測定用 垂直入射吸音率・透過損失計測システムについてリオン(株)
T22-3(発表無し)Sion Inc.(株)
T22-44206-T型 音響管によるマフラー評価手法およびT210トルクセンサーの紹介HBK
T22-5吸音率の測定手法,電磁加振力に伴うモータの実稼働振動評価(株) 東陽テクニカ
T22-6熱可塑性ポリオレフィンABSORTOMER三井化学(株)
T22-7音響/振動解析ソフトウェア ActranHexagon
▍発表会場1 : 13:30 ~ 14:30 基調講演 司会:大石久己(工学院大)
SDT22011防音材の軽量化と性能を高次元両立させる設計検討手法について見坐地一人(日本大学生産工学部数理情報工学科)
自動車の電動化に伴い軽量化と高周波ノイズの効率的な対策要求が益々高くなると考えられる。自動車用防音材の軽量化と防音性能を高次元で両立するには,自動車の開発初期段階における防音材の高精度な基本設計がポイントとなる.これを実現するには防音材の音響特性シミュレーション手法が必要である.ここでは波動理論,Biot 理論を用いた音響特性シミュレーション手法と遺伝的アリゴリズムによる最適化手法を組合せた防音材仕様の基本設計検討結果の実例と,今後の可能性について紹介します.
発表会場1 : 14:30 ~ 14:45 本研究会連携事業紹介 司会:大石久己(工学院大)
地方独立行政法人東京都立産業技術研究センターの紹介小林 丈士(研究開発本部物理応用技術部部長)
発表会場1 : 15:00 ~ 17:00 吸音1 司会:塩瀬隆範(住友ゴム)
SDT22012細繊維グラスウールに特化した吸音特性予測小島真路(神奈川県立産業技術総合研究所),岡村和馬(旭ファイバーグラス)
我々はこれまでに,グラスウールの垂直入射吸音率を理論予測する手法について検討してきた.本研究では,平均繊維径3 μ m のグラスウールを対象として,流れ抵抗から音響パラメータを予測するMiki 修正モデルを作成し,実測やMiki モデルを用いて得られる垂直入射吸音率と比較し結果を検証した.その結果,流れ抵抗が比較的大きい範囲において,Miki 修正モデルのほうが良好な予測値を示すことが明らかとなった.
SDT22013均質化法による発泡材の音響性能および断熱性能の予測検討Ren Tianxin(工学院大),山本崇史(工学院大),山川啓介,桂大詞,遊川秀幸(マツダ)
電気自動車の電池効率を高めるために,断熱性の高い材料が求められている.そのため,音響性能と断熱性能が高くて密度が低い発泡材が幅広く使われている.本研究では,Surface Evolver を用いてモデリングした発泡材のKelvin セルモデルおよび単純気泡モデルを作る.COMSOL にモデルを導入して吸音,熱伝導率を計算し,発泡材の音響性能と断熱性能への影響因子を探すことを目的とする.
SDT22014マルチスケールモデリングによる多孔質吸音材料の音響挙動の不確実性分析手法の比較小松洋輔(工学院大),山本崇史(工学院大)
微視構造のばらつきを考慮した多孔質吸音材の音響特性を解析するため,マルチスケール解析と確率論的手法による確実性分析手法が提案されている.確率論的手法では必要な計算資源と予測精度が相反する関係にあり,これを解決するために摂動計算,代理モデルおよび機械学習を用いた方法などが提案されている.本講演ではこれらの手法を比較し,それぞれの特徴を説明する.
SDT22015JCA モデルパラメータ逆推定値による板・膜振動型吸音率計算加藤大輔(HOWA)
本研究は吸音材内の伝搬音特性を予測する手法として,多くのソフトウェアに実装されるJohnson-Champoux-Allard(JCA)モデルを対象とし,利用に際し必要となる5 種類のパラメータ(流れ抵抗,多孔度,迷路度,粘性特性長,熱的特性長)に着目している.垂直入射吸音率より逆推定された流れ抵抗値の推定精度が,板・膜振動型吸音率の予測精度に対し大きく影響することを確認した.
SD22016多孔質発泡材の微視構造モデリングおよび制振性能予測櫻井一貴(工学院大),山本崇史(工学院大)
自動車から発生するロードノイズや風切り音などの低周波の騒音は車内の静粛性に悪影響を与えているため,室内の静粛性を確保するために発泡材が使用されている.また,発泡材は軽量かつ吸音性能と制振性能が高いものが望ましい. 本研究では積層発泡材の微視構造モデルを作成し,均質化法による計算で低周波域の吸音性能を向上させる方法を調べる.吸音率の実測値と解析値の比較を行い,発泡材の制振メカ二ズムの解明を進める.
SDT22017微細繊維を含む吸音材の微視構造モデリングおよび吸音率の向上検討宮城一輝(工学院大),山本崇史(工学院大)
現代の自動車では,ロードノイズ等の低周波数帯の騒音低減が大きな課題である.車内に設置される吸音材は厚みが増すことで,低周波数帯の騒音低減はある程度可能だが,重量増加による燃費の悪化などを招く.本研究では繊維系吸音材を検討対象とし,均質化法を用いて吸音率を予測していく.そのため,実測値との比較から計算の妥当性を確認し,最終的に薄くかつ軽くても吸音性能が高くなるような微視構造を持つ吸音材の検討を行う.
発表会場2 : 15:00 ~ 16:40 吸音2  司会:木村正輝(HBK)
SDT22018弾性多孔質材料内におけるBiot 理論に基づく音と振動の可視化加藤大輔(HOWA)
多孔質材料内には空気伝搬音と固体伝搬音が混在し,これら複合波により音響的な特性が定まる.理論的にこれら複合波を扱う手法としてBiot 理論が知られる.しかし,多孔質材料内の空気と固体の「動き」を対象した理論的検討はほとんど実施されていない.このような理論的検討は,音響的メカニズムを理解するうえでも重要である.このような背景から,Biot 理論に基づく音と振動の可視化(アニメーション)技術を構築した.
SDT22019低周波数域における吸音率向上を目的とした均質化法による発泡系吸音材の微視構造検討李知桓(工学院大院),山本崇史(工学院大)
自動車の車室内に伝わる風切り音,路面の凹凸に起因するロードノイズなどの低周波の騒音が乗客に不快感をあたえる. パワーソースの電動化により目立つようになった風切り音やロードノイズ等の低周波騒音を低減するため吸音材を車体につけている.本研究では,吸音材の厚さを抑制しつつ,低周波数域の吸音率を向上させる発泡材料の微視構造を漸近展開法にもとづく均質化法により検討する.また,実材料においてその効果を検証する.
SDT22020積層型防音材のポリウレタンフォームの物性が遮音性能に及ぼす影響村瀬真央,中島友則,竹内文人,赤羽英介,林修巳(三井化学)
自動車車室内の静粛性向上のため,防音材においても一層の遮音効果が求められている.自動車用防音材として,多孔質材料と質量表皮からなる遮音タイプ防音材が用いられている.多孔質材料としてポリウレタンフォーム,質量表皮としてゴムからなる積層防音材について,ポリウレタンフォームの物性に着目し,バネ-マス系の振動伝達による遮音性能への影響について検討した事例を報告する.
SDT22021発泡材料と繊維材料を一体成型した複合積層材料の微視構造モデル検討廣田葵(工学院大院),藤原幸宏(AGC),山本崇史(工学院大)
電気自動車の普及によりエンジン音が低減され,ロードノイズなどの低周波騒音が相対的に目立つという問題がある.それを抑制するために,発泡材料と繊維材料を一体成型した積層材料が注目されている.しかし,複合積層材料は繊維材に発砲材が侵食した混合層を有している.そして,混合層の積層構造吸音材に対する影響は十分に検討されていない.本研究では一体成型積層構造を均質化法により混合層の微視構造からモデルを検討する.
SDT22022摂動法を用いた多孔質吸音材の音響特性ばらつき予測高橋秀俊,小松洋輔(工学院大院),山本崇史(工学院大),山川啓介,桂大詞,遊川秀幸(マツダ)
近年,EV やHV などエンジンに起因する騒音の小さい車では,今まで目立たなかったローノイズや風切り音などが目立っており,静粛性を確保するために高性能な吸音材が多用されている.一方,品質向上の観点から性能のばらつき予測・評価が重要となっている.本研究では,摂動法を用いて多孔質吸音材の吸音率のばらつきを予測し,実測したばらつきと比較検証する.また,確率変数の分散が吸音率のばらつきにおよぼす影響を検討する.
▍発表会場1 17:00 ~ 17:05  閉会のあいさつ  井上 茂(制振工学研究会 副会長,エヌ・ブイ・テック
SDT22023制振工学研究会の35 年の歩み井上茂

   17:10から質問,意見,情報交換等の時間を設けますので,お気軽にご参加下さい.