2023 制振工学研究会 技術交流会 報告

実行委員長 工学院大学 工学部 機械工学科 山本 崇史

去る2023年12月13日に制振工学研究会技術交流会をオンラインにて開催いたしました.
今回は95名の方からお申し込みをいただき,当日は81名の方にご参加を頂きました.お忙しい中,ご参加いただきまして誠にありがとうございます.この場をお借りしまして,深く御礼申し上げます.今後とも引き続き何卒よろしくお願い申し上げます.

基調講演では,(株)ブリヂストン ソリューション・探索・化工品事業開発管掌付 参与 佐口 隆成様より「EV のロードノイズについて(タイヤからのアプローチ)」という題目でご講演をいただきました.自動車の電動化にともない,内燃機関に起因する振動・騒音の寄与が小さくなりあるいは全くなくなり,相対的にタイヤに起因する振動・騒音の寄与が大きくなってきている状況で,タイヤでの対策および設計手法について基本的な内容も含めて非常に分かりやすくご説明いただきました.また,今後の課題についても紹介いただきました.お忙しい中,お引き受けいただき誠にありがとうございました.

一般講演では,午前7件,午後5件の合計12件のご発表をいただきました.そのうち,5件は学生あるいは大学院生からご発表いただきました.また,3件は企業様から貴重な研究成果をご発表いただきました.当研究会の音響管計測ワーキンググループより,活動成果として不均一吸音材の透過型音響管(4 マイクロホン法)による計測誤差の調査結果をご報告いただきました.また,本研究会と連携事業を行っている地方独立行政法人 東京都立産業技術研究センターの開発本部 物理応用技術部 光音技術グループ グループ長 服部 遊様よりセンターの紹介をいただきました.

今年度より学生による発表講演のうち,厳正な評価の上,最も優れた発表をされた方に優秀講演賞を授与することになりました.今回は,工学院大学大学院の神谷虎太郎さんに授与されました.神谷さんは「クラシックギターのニス塗布前後の放射音特性への影響」と題して,新しく施策した弓型力木配置のクラシックギターにおいて,ニスを塗布する前と後で,放射音特性を計測し,ニスの塗布による影響を実際に計測し,その変化を比較検討した結果についてご報告いただきました.なお,本優秀講演賞は本研究会初代会長 時田保夫様のご寄付により2023年度に創設されたもので,本ご寄付を原資として受賞者に副賞をお渡ししております.今後も継続してまいりますので,学生・大学院生の方,ふるってご参加・ご講演下さい.

COVID-19がおおむね収束し,日常を取り戻しつつあり,国内・海外の学会におきましても,これまでどおり対面での開催に戻す講演会が増えてきているようです.一方で,オンラインというコロナ禍前には想定しなかった非常に利便性の高いツールを手にしました.対面とオンラインを併用したハイブリッド形態の講演会も開催されていますが,両方の準備をすることになり,従来の対面のみよりも大変になるようです.また,オンラインだと質疑が盛り上がらない,休憩時間の意見交換・情報交換ができないという意見もあります.次年度以降の本技術交流会の開催形態については引き続き議論していく方針でございます.お気付きの点,ご意見などございましたら,事務局までお寄せ下さい.最後に,実行委員会の方々や研究会の事務の方々には司会や受付などの当日の運営にご協力頂きました.この場をお借りいたしまして深謝申し上げます.

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