2024 制振工学研究会 技術交流会 報告
2024技術交流会実行委員長
工学院大学 工学部 機械工学科 山本 崇史
新年明けましておめでとうございます.本年もどうぞよろしくお願い申し上げます.
去る2024年12月11日に制振工学研究会技術交流会を(株)東陽テクニカ様本社7Fにて開催いたしました.また同時に zoom にてオンラインでも配信する,ハイブリッド形式といたしました.
今回は88名の方からお申し込みをいただき,当日は会場にて45名,オンラインにて36名,合計81名の方にご参加を頂きました.お忙しい中,ご参加いただきまして誠にありがとうございます.この場をお借りしまして,御礼申し上げます.
基調講演では,三井化学株式会社 理事・ESG 推進室長 関口 未散様より「三井化学グループのサステナビリティ推進の取り組み」という題目でご講演をいただきました.社会課題が多様かつ複雑化し,国家の対応にも限界があることから,SDGs 等で示される諸課題に対して,三井化学株式会社にて取り組まれている事例についてご紹介いただきました. また,株式会社東陽テクニカ オートモーティブ・ソリューション部 森 厚夫 様より,「分系の質量特性の最適化による全系の振動低減」という題目でご講演いただきました.主系の加振点応答を取得し,伝達経路解析により,分系に付加する質量を適正化することで全系の振動を低減する方法についてご紹介いただきました.お忙しい中,お引き受けいただき誠にありがとうございました.
一般講演では,午前8件,午後4件の合計12件のご発表をいただきました.そのうち,3件は大学院生からご発表いただきました.また,3件は企業様から貴重な研究成果をご発表いただきました.当研究会の音響管計測ワーキンググループから,活動成果として2 マイクロホン法(反射法)及び 4 マイクロホン法(透過法)音響管による計測誤差をご報告いただきました.材料技術分科会からは,振り子型衝撃試験機を用いた異なる温度での衝撃吸収材料の評価についてご報告いただきました.また,本研究会と連携事業を行っている地方独立行政法人 東京都立産業技術研究センター 物理応用技術部 光音技術グループ グループ長 服部 遊様よりセンターの紹介をいただきました.
昨年度から引き続き,35歳以下の会員による発表講演のうち,厳正な評価の上,最も優れた発表をされた方に時田賞(発表賞)を授与いたしました.今回は,東京科学大学大学院の平林 渉さんに授与されました.平林さんは「Lamb 波の各種モードを用いた Dispersion Method によるエラストマーシートの力学物性評価」と題して,Lamb 波の対称な S モードと非対称な A モードを用いて,等方性材料であるエラストマーシートの弾性率・ポアソン比を評価した結果についてご報告いただきました.なお,本発表賞は当研究会初代会長 時田 保夫様のご寄付により2023年度に創設されたもので,ご寄付を原資として受賞者には副賞をお渡ししております.今後も継続してまいりますので,社会人および学生・大学院生の方,ふるってご参加・ご講演下さい.
今年度は従来の対面形態と遠方の方でも参加しやすいオンラインを併用したハイブリッド形態で開催いたしました.この形態での開催は初めてということもあって,当日の進行・運営で至らない点が多くあったかと思います.会場での質疑応答がオンライン参加の方に伝わりにくい,またオンライン参加の方々からの質問をお受けするのが難しいといった点です.次年度以降の本技術交流会の開催形態については引き続き議論していく方針でございます.お気付きの点,ご意見などございましたら,事務局までお寄せ下さい.
最後になりますが,(株)東陽テクニカ様には会場をご提供いただきまして誠にありがとうございます.また,実行委員会の方々,研究会事務の方々には司会や受付など運営にご協力頂きました.この場をお借りいたしまして深謝申し上げます.今後とも引き続き何卒よろしくお願い申し上げます.